ホアファットグループ[銘柄コード:HPG]の年初4ヶ月の利益は、年間計画を69%
達成し、5・6月の利益見込みも良好である。そのたHPGの取締役会は、株主総会
で承認された計画を上方修正しようと考えている。
在庫が多く、鉄鋼市場が低迷することを前提として以前の計画が立てられていたが、
政府の需要刺激策により、インフラ施設の建設が再開され、鉄鋼価格も上昇に転じた。
ベトナム鉄鋼協会では、2009年度鉄鋼消費高は2008年度とほぼ同水準と見込んで
いる。
HPGだけではなく、プラスチックやゴム加工などを行う基礎資材製造企業の経営も
改善されて来ている。低価格で原材料を購入していたが、現在では製品の販売価格
がやや上向いて来ているためで、上半期業績は順調と見込まれている。
ダナンゴム[銘柄コード:DRC]の2008年度第4四半期利益は僅か19億ドンに留まった
が、2009年度第1四半期には、309億ドン(約1億6,890万円)に増加した。同社の説明
によれば、売上高が1,000億ドン増加したのに対して、原価は僅か574億ドン(約3億
1,370万円)の増加に留まり、また原油価格が下落したことで、加工用の化学製品購入
価格も下落したために、利益が大幅に増加したという。
原材料価格が低い水準のまま推移していることで、第2四半期の利益も見込めるという。
上半期利益を900億ドン(約4億9,180万円)見込んでいるが、3月23日に株主総会で承認
された利益は520億ドンであった。DRCも年間計画を修正する必要に迫られている。
DRCばかりではなく、投資家が第2四半期利益は期待に反して大きいと考えており、他
のゴム企業の株価も上昇している。
トゥオンアン植物油[銘柄コード:TAC]も、原材料価格が下落したことで恩恵を受けている。
一方、2008年には資産運用による評価損を計上した企業も多かったが、株式売却によって
それを取り戻そうとしている企業もある。
サコム通信ケーブル[銘柄コード:SAM]はHPGの
株式を資本金の4%相当保有しているが、5万ドン以上で売ることができれば、SAMは1株
あたり2万ドン取り戻すことができる。
またVNインデックスが400ポイントに上昇するだけで、
ペトロベトナムファイナンス[銘柄
コード:PVF]は6月に年間利益を達成する見込みである。現在PVFは委託投資家が契約
を破棄して引き受けていた株式と、ディーリング業務によって取得していた株式を売却
している。更に、同社は第1四半期末に2,000億ドン(約10億9,290万円)の資金を株式市
場に投入している。そのため、VNインデックスが6月末に400レベルにあるとすれば、PVF
は年間の利益計画を修正する必要がある。
このように、第2四半期利益がまだはっきりしていないため、投資家は利益に対してより
大きな期待をかけるようになっている。経験が豊富な投資家は企業の利益を先読みで
きるが、どの投資家もそうしたことができるわけではない。そのため、企業が計画の上方
修正を発表する必要があるのである。
大手上場企業が利益計画を上方修正すれば、株式市場には必ず積極的な影響が及
ぶことになる。2009年度PER見込みも下落する。投資家はそれに基づいて、長期投資
のための銘柄を選択することができる。
しかし、利益がはっきりと確定してはいないため、6月そして7月に効果的な投資を行え
ない投資家も必ず出てくることになる。これが経営状況が良くない企業の株価までも、
VNインデックスと共に上昇している理由でもある。
Thanh Nam, Dau tu chung khoan, 5/6/2009